11月のテーマ 「ごぼうと人参」

 日本の伝統料理に欠かせないごぼうの主成分は炭水化物で、その大部分が食物繊維です。ごぼうに含まれる食物繊維にはいくつか種類があります。水溶性食物繊維のイヌリンは利尿効果があり、腎臓の機能を高めるほか、血糖値の急激な上昇を抑制し糖尿病を予防します。リグニンやヘミセルロースという不溶性食物繊維も多く含まれています。 これらごぼうに含まれる食物繊維は、消化吸収されずにお腹の中を通過するため、胃や腸をきれいに掃除し便秘を改善、大腸ガンの予防になり、同時に悪玉の腸内細菌の繁殖を防いでくれます。水溶性食物繊維は、コレステロール値の低下に有効です。

  ほかに、活性酸素の毒性を消す酵素であるペルオキシターゼが多量に含まれるほか、セレンという抗酸化作用があるミネラル、アミノ酸の一種で免疫力を高め、滋養強壮にもはたらくアルギニン、細胞の新生に不可欠で野菜の中でも多く含まれる亜鉛などがごぼうの栄養成分として挙げられます。不溶性食物繊維のリグニンは切り口から発生するため、ごぼうを調理するときには切り口の表面が多くなるささがきが効果的です。また、ビタミンB1を含む豚肉などの食材と組み合わせ、砂糖や油を使用して調理すると、便通を良くする効果が上がります。

  ごぼうを購入する際には泥付きで、ひびがなく、まっすぐで、ひげ根が少ないものを選びます。ごぼうを保存する際には、泥付きのものは乾燥に弱いので湿った新聞紙などにくるんで、冷暗所で保存します。すでに洗ってしまったものは、保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。

  日本人に身近な野菜である人参には下のグラフでもわかるようにβカロテンが豊富です。βカロテンは抗酸化作用を発揮して活性酸素による害を防ぐだけではなく、体内で必要な量だけビタミンAに変わって、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。βカロテンは油に溶ける脂溶性ビタミンで、油と一緒に取ることでビタミンAとしての吸収率がより高くなります。βカロテンの吸収率は、生の人参で10%、ゆでた場合で30%、オリーブオイルなどの油を使うと50%~70%とかなり差があります。そのため、βカロテンを上手に摂るには油を使った料理が効果的です。

  また人参には、食物繊維、ビタミンB1、B2、Cのほか鉄分やカリウム、カルシウムなどのミネラルも多く含みます。食物繊維は水溶性ペクチンで、便通を良くし、高血圧や動脈硬化を予防します。鉄は造血を促し、血行をよくするので、貧血はもちろん、虚弱体質や疲労回復にも役立ちます。カリウムは体内のナトリウムを排泄して血圧を下げる作用があります。また、目の粘膜を強くするので、疲れ目や夜盲症、結膜炎を予防します。人参の葉にもビタミンやミネラルが豊富に含まれておりカリウム、カルシウム、ビタミンCは、根の部分よりも多く含まれていますので、葉が手に入った際には是非おひたしや炒め物にして食べたいものです。

 人参は色が濃くあざやかでひげ根が少ないものを選びましょう。ごぼうと同様にひげ根が少ないことは育った栄養状態が良いことを示しています。また、形は太めで先端が丸く詰まっているものが良いでしょう。茎の周囲、首の部分が青く、黒ずんでいるものは甘みに欠けるので避けましょう。人参の保存方法としては泥を落とし、むれないように水分をよくふいて、新聞紙に包んだ後、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存、そして人参 1本を1回で使い切れないときは、先の方から使用し、残りは水分を取り除いてからポリ袋に入れて冷蔵庫で保存すると良いでしょう。人参を1週間持たせたい場合は冷凍保存が一番です。しっかりとゆで、水気をきり、表面を拭いて冷凍すれば2ヶ月は持ちます。


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