9月のテーマ 「椎茸とさつま芋」

アジアの熱帯高地が原産とされる椎茸。古事記には既に椎茸の記述があり、江戸時代には人工栽培が盛んになり、現在では日本人に最も愛されるキノコの一種となりました。

椎茸の注目成分は、エルゴステロール、エリタデニン、レンチナン。エルゴステロールという成分は紫外線を受けるとビタミンDに変わります。ビタミンDは、カルシウムとリンの吸収を促進し、血液中のカルシウム濃度を保ちます。骨や歯を丈夫にし、骨粗しょう症を防ぐ働きがあります。成長期の子どもや妊婦にとっても、重要な栄養素の一つです。エリタデニンという成分には、血圧を下げ、コレステロールの代謝を促して体外に排出する働きがあるとされています。高血圧、高脂血症、肥満を防ぐ効果が期待できます。レンチナン(βグルカン)は、免疫力や、抗がん作用を高める成分として注目されています。

生椎茸と干し椎茸は、どちらもそれぞれ特有の食感と風味で重宝されています。生椎茸を購入する際は、カサの開き具合が6~8割程度で肉厚なものを選びましょう。カサの裏側がきれいな白色で、うすく膜をはったようのものが新鮮です。干し椎茸は、しっかり乾燥していて表面が茶褐色、カサの裏側は黄色っぽいものが良品です。

生椎茸はカサを下にして裏返した状態で新聞紙にくるみ、ビニール袋などに入れます。袋の口を開いたまま、冷蔵庫の野菜室で保存します。日持ちがしないので2~3日中に食べきりましょう。干し椎茸は湿気を吸収しやすいので、乾燥剤を入れた密閉できる容器で保存します。冷暗所や冷蔵庫で保管をすると良いでしょう。保存性に優れているので密閉状態であれば1年間は保存が十分可能です。ただし長期間経過すると風味が落ちてきますので、賞味期限を参考にすると良いでしょう。

生椎茸も干し椎茸も、調理前に1~2時間ほどカサの裏側を上にして天日干しをすると、ビタミンD  の量を増加させることができます。生椎茸は水で洗うと、甘味や風味が流れてしまうので汚れが気になる場合は、水を含ませたペーパータオルや布巾などで軽く拭きましょう。干し椎茸は、軽く水洗いした後、冷蔵庫で8時間以上かけてゆっくり戻すと、甘味成分が増加します。戻した水は出汁として料理に使うと味わいが深まります。

さつま芋は熱帯アメリカが原産で、16世紀末から17世紀初めにかけてフィリピンから中国を経て沖縄宮古島に伝わりました。18世紀初頭には薩摩藩(現在の鹿児島県)で「カライモ」と呼ばれ栽培されるようになり、
享保の大飢饉を期に「さつま芋」として本州にも紹介され、収穫されるようになりました。

さつま芋には、セルロース・ペクチン(食物繊維)、ビタミンC等が豊富に含まれています。芋類の中では、さつま芋が食物繊維の保有量が最も豊富で、便秘の改善や要望に効果的なだけではなく、血中コレステロールを低下させる作用や血糖値をコントロールする働きもあります。さつま芋には、何とリンゴの10倍以上ものビタミンCが含まれています。さつま芋のビタミンCは、糊化したでんぷんの作用により加熱調理しても壊れにくいので、効率よく摂取することができます。ビタミンCには細胞の結合を強化するコラーゲン生成を助ける機能や、免疫力を強化し風邪を予防する働きがあります。

美味しいさつま芋の見分け方は、ふっくら丸みがあり、ずっしり重いものを選びましょう。皮の紅の色が鮮やかで艶があり色が均一で、凸凹がなく表面が滑らかなものが良いでしょう。切り口に蜜が出ているものは糖度が高い印です。

さつま芋は時間をかけてじっくり調理をすると、デンプンが麦芽糖に変わり甘みが増し、とても美味しくなります。電子レンジでの調理は手軽ですが加熱時間が短いため、本来の甘みを十分に引き出すことができません。蒸したり焼いたり、じっくりと低温で加熱して、自然な甘みを楽しみましょう。

さつま芋は過度の乾燥あるいは湿気、また低温で保管をすると鮮度が落ちてしまい、栄養やビタミンが減少してしまいます。新聞紙で包んで、陽の当たらない風通しの良い所で常温保存をしましょう。


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