「上質」「機能的」「文房具」という言葉を同列に並べると、これらの共通点を持つ製品を複数想像するかもしれません。世界中のファンから日本の文房具は長い間、最高峰の筆記具として評価されています。オールマイティな多機能学習ペンや、取引の最後を締めくくるスタイリッシュなサインペンなど、日常的によく見る製品が日本のブランドによってデザイン・製造され国際市場に輸出されています。日本は文房具業界におけるデザインとイノベーションの最前線にあり、皆様の筆記体験を向上させるあらゆるタイプのガジェットを生み出し続けて学生や社会人を支える道具として活躍しています。今回は、日本の文房具の特徴と、世界市場で支持され続ける理由を調べてみました。
日本の文房具の進化
シャープペンシルは、1915年に早川徳次(後のシャープ創業者)が、チャールズ・キーランの「エバーシャープ」というアメリカの発明をもとに製作し、日本市場に広まっていきました。(Tombow Japan) それ以来、日本は革新的な筆記具をデザインする最前線に立ち、学生やクリエイターをサポートし続けてきました。
1972年、ぺんてるは日本初のサインペン兼ボールペンの「ボールぺんてる」を発売。同年、ゼブラが3色のインクが内蔵されたペンを発売しました。(ペン工房キリタ)
その後、文房具の技術が時代とともに発展し、かつては高級品であった道具がより手頃な価格帯で生産されるようになりました。ビジネスマンや学者向けに作られていた道具が、庶民にも買えるようになりました。そのため、子供や若い学生には、明るい色や好きなキャラクターがプリントされたデザインが好まれるという、新しい需要が生まれました。
最近では、文房具愛好家たちは現代のミニマルデザインのトレンドに従い、キュートでバブリーなデザインより昔のスマートな外観へと変わって来ています。最近の若者たちは、レコードで音楽を聴いたり、80年代のファッションを取り入れたり、昔流行っていたものや文化を再訪する事が広まってきています。レトロ文房具の流行も、その延長線上にあるのかもしれないですね。
日本の文房具の特徴とは?
日本の文房具は高品質であることが広く知られており、海外でも多くのユーザーに愛用されていますが、「普通のと何が違うの?」と思う人もいるかもしれません。日本の文房具は、プロのライターやデザイナー、学生など、道具に正確さや使いやすさを求める人々の要望を反映し、常に発展を続けてきました。その為、日本のメーカーは様々なニーズに応える事ができ、使用感を極限まで仕上げた高級品から面白アイデアギフト商品まで色々な文房具を提供しています。
機能性
皆さんもご存知かもしれませんが、有名な日本発祥商品のひとつに消せるペン/蛍光ペン「Frixion」があります。文房具メーカーのPilotはペンを使用する学生たちのために書き間違いをした際に跡が残る修正テープやペンを使わなくて良いように熱を加えると消えるインクを内蔵したペンを開発しました。
デザイン性
日本の文房具ブランドは、筆記用具を日常生活に取り入れて貰うために、勉強や仕事の際にちょっとした喜びを生むアイテムのデザインや開発に多くのリソースを費やしています。「アルミボディに滑らかで手触りの良いスライダーを備えたエレガントなペン」は、退屈な会議でメモを取るときに少し気分を高めてくれるかもしれません。同じように、「お豆腐の見た目をした付箋」は、メモを渡すときに思わぬ交流を生むかもしれません。
日本の手書き文化と需要、海外との違い
日本の文化は、他国と比べて字の綺麗さに重きを置きます。その理由は、日本で「字は人を表す」と言う言葉があり、人の手書きの文字からその人の性格や人柄がわかると言われているからです。字が綺麗な人ほど丁寧な性格や思いやりの心が持てる人と思われる事が多く、文字を書くときは丁寧に書きましょうと学校で教えられます。ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の文字を組み合わせて使う日本語は他の言語と比べて書くのがとても難しい言語です。その為、書面で他人に物事を伝える時、如何に綺麗に一貫性のある字が書ける事が重要か分かります。この文化そのものが日本の文房具産業の原動力と言っても過言では無いでしょう。
比べて、海外では少し違った理由で日本文具の需要があるそうです。海外市場、特に北米のユーザーは文房具のモダンなデザインやかわいいグッズ、斬新な機能が付いた筆記用具などを求めて日本のブランドを支持してる方が多く見られます。卓上のちょっとしたアクセントに可愛さと性能を両方持ち合わせた文房具が欲しい方に日本の商品をお勧めします!
日本の有名な文房具ブランド
世界的には 「フリクション 」で知られ、日本国内でも高級万年筆の名門として知られるパイロット。パイロットはあらゆるユーザーのニーズに合った様々な筆記具を生み出し、国民から支持される人気ブランドです。
ゼブラという名前は、「斑馬」という漢字からとったもので、「王」と「文」の2つの部分から構成されているシマウマは「文の王様」と言う意味がこもった会社です。このブランドは、筆圧をあまりかけなくても滑らかな書き心地の「サラサ(SARASA)」を製造しています。SARASAは、国外で入手出来る日本のボールペンの中でも人気のあるシリーズの一つです。
三菱といえば、機械的なものなら何でも作っている会社として知られていますが、1887年に正木鉛筆製作所として創業して以来、高品質の鉛筆を作り続けてきました。 90年代後半からは、「Uni」と言うブランドで高品質のペンの製造にも力を注いでいます。UniのJETSTREAMは、どんな面でも高質で滑らかな書き心地を実現するペンとして高い評価を得ながら、私の個人的に好きなペンでもあります。
これまでのブランドとは対照的に、カンミ堂は90年代後半からオフィス用品を製造している
文房具ブランドです。そのモダンな製品ラインは、付箋紙に関する物なら何でもあると言って良いほど付箋関連のグッズが揃っています。ペン型の長さが調節可能な付箋から、バインダータブのページマーカーまで、カンミ堂は機能性の高い学習・整理ツールを製造しており、筆箱や鞄の中の雰囲気を明るくしてくれるでしょう。
バンダイナムコの文具部門であるSun-Starは、勉強中に猫ちゃんがじぃ〜っと見つめてくる「ジットメクリップ」のようなユニーク且つ実用的なガジェットを多数製造している。遊び心がありながらも実用的なデザインの文房具を探している方は、Sun-starの製品をチェックしてみては如何でしょうか?
購入
日本の文房具の人気が高まるにつれ、街中の小さな文房具店や大型の事務用品店でも日本の文房具を扱う店が増え始めています。AmazonやStaplesのようなオンラインショップの他に、日本文具を取り扱っているお店をいくつかご紹介します。
伊東屋 Itoya (Ginza, Tokyo/Online): https://www.ito-ya.co.jp/
Present & Correct (UK/Online): https://www.presentandcorrect.com/
1912 Amax Stationery (Vancouver, BC): instagram.com/1912amaxstationery/
Post.script (SanFrancisco/Online): https://www.postscriptshop.com/
OOMOMO (Canada/Online): https://www.oomomostore.com/
Beni Japanese Stationery (Online): https://www.benishop.ca/
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